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zoom RSS 探査機・はやぶさのように 五十嵐香代子、「Luminare いのちの詩、光のことば」刊行に寄せて

<<   作成日時 : 2010/07/14 21:02   >>

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今年の七夕は雨模様で終ってしまいました。晴れて天の川が見えた地域はあったのでしょうか?
6月13日、03年5月に小惑星「イトカワ」に向けて打ち上げられた日本の探査機「はやぶさ」が帰ってきました。
05年9月、イトカワに到着観測、離着陸に成功し、07年4月、地球へ帰還の途につきました。

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 その間、故障やエンジンの燃料漏れによる全損、
 姿勢の乱れ、電池切れ、通信途絶
 イオンエンジンの停止などさまざまな苦難に
 おそわれましたね。通信が途絶えた時は
 もうダメかと・・・・みんなあきらめました。

  ←小惑星「イトカワ」



けれど「はやぶさ」はけな気にも、遠い宇宙で何度も何度も故障を修復し、7年ぶりに、今年6月13日、南オーストラリア上空に姿を見せました。 

太陽系、さらに宇宙の生成の謎の解明の手がかりの一つになるかもしれない、小惑星表面の破片を入れた(持ち帰ったことに期待!)カプセルを切り離し、はやぶさ自体は燃えつきました。そのミッションを果たし、ふるさとの地球にようやく帰り着いて!

皆さんもニュースでその映像をご覧になったとことでしょう。感動の瞬間をふたたび!左は幾つにも割れて燃え尽きる「はやぶさ」 右は切り離したカプセルが地上へと。 NASAの映像です。 説明文の後すぐ映像が出ます。
「はやぶさ」は彗星のように明るく輝いて最期を迎えました! ありがとう、「はやぶさ」!




「はやぶさ」が7年もかけて苦難を乗りこえミッションを果たし燃え尽きた物語は、ひとりのブログの友人を思い出させます。

画像先日、相互リンク( FC2ブログへ)しているルミナスさんの詩に関する日記が
「めるくまーる」社より、最近出版されことを知りました。 
ルミナスさんの本名は五十嵐香代子さん。 
香代子さんは08年の秋に亡くなりました。
08年の3月末にメールをいただいたのが最後でした。
翌4月に病気が再発したので・・・・

Luminare いのちの詩、光のことば」 五十嵐香代子著
めるくまーる 発行

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                            八重のクチナシ 

香代子さんは古今東西の詩の中から人生を考える美しい詩をえらび、その詩について自身の想いをつづっていました。本書には、谷川俊太郎、吉野弘、寺山修司、萩原朔太郎、中原中也、新川和江などの日本の詩人以外にも、海外の著名な詩人、例えばハイネやヘルマン・ヘッセ、タゴール、エミリー・ディキンソン、オマル・ハイヤーム、ネィティヴ・アメリカンなどの詩も多く収録されています。 どれも宝石のような詩ばかり。 未邦訳の詩は香代子さんが訳しました。 また彼女自身の詩もいくつかあります(とても良い詩です) 

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06年に手術を受け、07年10月からこの日記を始めました。 彼女はきっと、古今東西のすぐれた詩歌とその感想を公開することが、彼女が地上に生を受けた「ミッション:使命」のひとつだと考えていたのでしょう。 どんなに疲れていても、毎日毎日、この日記をつづっていました。人生について洞察に満ちたとても深い内容です。 本書は、香代子さんが地上に残した、はやぶさの「カプセル」のようなものに思えてなりません。

詩を読み、その感想をつづる想いを彼女は、本書の冒頭で 「Luminare ルミナーレとはラテン語で光をもたらすもの 多くの先人たちのことばの中にあなたに光をもたらすことばがみつかりますように」 と述べています。本の収益は癌の研究のために寄贈されます。  

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                          夾竹桃(キョウチクトウ)

少し、本の中身をご紹介しましょう。 詩人の各詩ごとに、香代子さんはその詩への想いをつづるという形で構成されています。きれいなイラスト入り。 下の詩は八木重吉(1898 - 1927 )の「雲」です。「定本 八木重吉詩集」より

 もくもくと 雲のように ふるえていたい  

 ゆうぐれの陽のなかを 三人の児が ななめの畑をのぼってゆく みていれば なきたい

 おおきな河のうえを 夜の汽車がとおる むこうのほうにも 橋があるらしく いちれつの灯が河にうつって
 
 ひとつひとつ ながいひかりになっている

 わたしでもなく わたしをうごかすものでもなく ふしぎな両生のせかいの
 
 いちばんやわらかな いちばんはじめの こころおどる泉からものを言いたい 


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                                   ムクゲ
                     
上の詩について香代子さんはつぎのように想いをつづっています。

こころが閉じてきても こころが乾いてきても こころが鈍ってきても

 泣きたいような光景に出会うことがなくなります

 そんなときには 深く傷つくことが なによりの治療かもしれません

 傷ついて ひび割れたところから もういちど あざやかな曙光やかすかな残光が射しこみ

 ささやかな灯火にも 魂をふるわせることができるようになるからです

 ふるえるこころで世界を感知し ふたたび涙をあじわうことができたら その人は 深く癒されたといえるでしょう


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                        泰山木(タイサインボク)

第69回文学界新人賞佳作に入選し、小説家を目指していた香代子さん。 若輩の私にいつもあたたかい言葉をかけてくださいました。心に残る数多くの詩と彼女の想いがつまったこの本をご紹介できることを、とても嬉しく思います。


前の記事 「百年の孤独」の味は? 山桃酒・梅酒の季節 ヤマモモの実る頃 へ

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なお本の中身の一部を掲載することについて版元のご理解をいただいております。

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追記

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梅雨もあと一息。 真夏の足音が聞こえるころ、白い花がなぜか目につきます。泰山木(タイサンボク)の気品に満ちた白い花。お隣に優美に咲いています。また、甘く匂うクチナシやジャスミンの花、ムクゲ、キョウチクトウの白い花・・・いかにも涼しげです。 うちの庭にもカサブランカの白百合が咲きました。

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そして先日、うちの猫が旅立ちました。猫たちはちっちゃな銀の舟に乗って天に向かうとか。旅立ちの朝に庭で咲いた白百合をいっぱい積んだ舟。 首に赤いサテンのリボンを巻いてあげました。小さな手を振って別れを告げました。きっとユリの櫂で、舟を漕いでいることでしょう。 今ごろは、無数の銀河をすぎ、宝石のようにきらめくはるか星雲の海を渡り、現世の三次元宇宙を越えていることでしょう。 うちの子になってくれてありがとう、みいちゃん!



Time to Say Goodbye この美しい曲は本来は、過去に訣別し新たな旅立ちをする歌






Luminare いのちの詩、光のことば
めるくまーる
五十嵐香代子


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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして

五十嵐香代子さんにはお世話になりました。彼女の遺稿が出版されて喜んでいます。本を紹介してくれて有難うございました。
Kaoru
2010/07/16 10:50
猫ちゃんの、ご冥福をお祈りします。とても可愛い子ですね。今は、お舟に乗っている頃でしょうか。
天国で、毎日楽しく暮らせますように。
モニカ
2010/07/16 17:49
kaoru様、こんにちは

本当に出版されて良かったですね!
それは一生懸命、渾身の力をふりしぼって書いていらしたから。ご訪問ありがとうございます。
☆サファイア
2010/07/17 10:04
モニカさん、ありがとうございます。
みいはこの世に未練なく、あちらで楽しく過ごしてくれれば、それだけで嬉しいです。モニカさん、PC不調なのに、コメントありがとうございます。
☆サファイア
2010/07/17 10:07
お庭のカサブランカの白い百合に見守られて、あのみいちゃんが逝きました。
別れの小さな手を振りながら・・・。

みいちゃんがサファイアさんちのネコになった日の、活き活きとした記事が思い出されます。みいちゃんはとても仕合せなネコでした。
みいちゃん、銀河の世界からまた顔を見せてね!!

感動的な五十嵐香代子さんの本のことは、また日を改めて。
きょうは、みいちゃんの冥福をお祈りしつつ・・・。
minoc
2010/07/17 12:11
minoさん、ありがとうございます
猫を飼うのはみいが初めてだったのですが、みいからそれはたくさんの幸せをもらいました。私たち家族のほうが幸せでした!できることは全部したつもりなので心残りはないですが、しんとした家にいるとやはりとても寂しいですね。コメントありがとうございます。
☆サファイア
2010/07/17 15:09
五十嵐香代子さんのブログ、昨夜読ませていただきました。紹介されている詩や、そこに書かれている五十嵐さんの思いが、文章を通してわたしのこころにも届きました。人は生と死を見つめる時、毎日の生活の中で今まで気付かなかった幸せや小さな喜びを見つけます。五十嵐さんがブログを書き続けることで
読者だけでなく、自分自身が癒されたのではないでしょうか。

みいちゃん、とうとう天国に旅立ったんですね。>できることは全部した・・サファイアさんのお家に引き取られて本当に幸せだったと思います。しばらくは寂しい日が続くと思いますが、時が少しずつ癒してくれるでしょう。みいちゃん、天国から「ありがとう、こんなにかわいがってくれて。」って笑顔で手を振っているようです。 
MOKO
2010/07/18 07:11
はやぶさには、家の夫が興味があって色々話しとかは聞いていたのですが、今回映像を見る事が出来て良かったです。
ありがとうございます。
もちろん夫も見ました。

みいちゃん、可愛いですね。
☆サファイアさんにたくさんのプレゼントをもらって出かけたんですね。
るんるん
2010/07/18 12:33
MOKOさん、こんにちは
香代子さんは、MOKOさんをはじめ、なるだけ多くの方に読んでもらえると大変嬉しいと思います。私は彼女からたくさんの詩を紹介してもらって本当に良かったです。
みいの件、ありがとうございます。まだ少しかかりそうですが、「時」が癒してくれますね。つぎも野良か施設にいる猫を飼おうかな?って思っています。
コメントありがとうございます。
☆サファイア
2010/07/18 18:37
るんるんさん、こんにちは
はやぶさの映像は忙しい方はニュースで見そびれたかもしれない、と思って載せました。そうおっしゃってくださると、載せた甲斐があります。
はやぶさが帰ってこなかったら、事業仕分けで「はやぶさ2号機」はなかったようですね。
みいの件、ありがとうございます。みいからのプレゼントの方が多かった気がします。家にやってきた頃は本人も嬉しかったのか、ネズミやトカゲを持ち帰り、プレゼントしてくれました! コメントありがとうございます。
☆サファイア
2010/07/18 18:41
どうも、ご無沙汰しています。猫のペットが死んじゃったんですね。うちの猫も三年前、20歳で死んでしまいました。手の平に載るくらいの大きさの時、拾ったんですが……似ているやつが迷い込んでこないかな、と思ったりします(笑)。いよいよ暑くなってきました。お体、お気を付けて。
紫雲
URL
2010/07/22 06:41
サファイアさん、こんにちは。
五十嵐香代子さんは、金子みすずのように澄んだ心をもったポエティカルな人だったのですね。八木重吉の詩は若いころ、愛読しました。気持が純化される思いがしたものです。
ヘッセの詩も、小説とともによく読みました。いまでも思い出す詩があります。それは、書斎に架けてある自分の絵へすーっと入り込み、描かれた列車の客となってトンネルの中に消え去るという、SFまがいの世界なのです。印象的な抒情詩でもあって、いまもって忘れられません。
みいちゃんへの哀悼の言葉が続いていますが、みんなからいかに愛されていたかが分かります。サファイアさんの一連の愛猫物語の記事が、みなさんの心に残っていたからでしょうね。
酷暑の日が続いていますが、どうぞお体を大切に。
minoc
2010/07/22 14:41
紫雲さん、お久しぶりです。
そちらの猫ちゃんはとても長生きでしたね。きっと飼い主さんのお世話も行き届いていたのでしょうね。コメントを拝見して思わずにっこりしました。同じことを考えていらっしゃると。私も似ている猫が迷い込んでこないかな?って。みいがいなくなって寂しくてしかたありません。この頃はあまり泣かなくなりましたが・・・そちらは豪雨大丈夫でした? 本当に暑いのでくれぐれもご自愛くださいませ。コメントありがとうございます。
☆サファイア
2010/07/22 20:45
minoさん、こんばんは
香代子さんはおっしゃるようにとても詩的な方で澄んだ精神の方でした。病気になられてから、「生」「死」についてさらに深く考えるようになられたというか・・・私はヘッセの詩はほとんど読んでいません。また機会があれば、そちらのブログでぜひご紹介くださいませ。みいのことで、minoさんをはじめ皆様よりあたたかいお言葉を賜りとても感謝しております。やはり逝ってしまったのでとても寂しいですね。minoさんのお宅ではもう新たには飼われないのですね。そのお気持ちもよくわかります。うだるような暑さが当分つづくようです。くれぐれもご自愛くださいませ。コメントありがうございます。 


☆サファイア
2010/07/22 20:53

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