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zoom RSS 京都「蓮(ハス)の寺」 西行のマドンナ、待賢門院璋子ゆかりの法金剛院

<<   作成日時 : 2009/07/27 19:12   >>

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古池の蓮の葉に露が光り、白、薄紅、黄色...どのハスの花も神々しい気品にみちています。
ハスの花は、睡蓮(スイレン)とは異なり、水面にけっしてふれることなく、空へ向かってすくっと伸び、花を咲かせます。根(地下茎)がどれほど濁った水中や泥中にあろうと、そこから生まれた花が泥にふれず気高く咲くこと、そして、古くからお釈迦様が蓮華の上で瞑想する絵が描かれてきたことから、仏教では、浄土を象徴する花とされます。 さらに、泥中、すなわち欲がうずまく物質世界、そこから抜けて、真の霊性が花ひらく"悟り、覚醒”を象徴する花ともされます。

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ここは、第74代鳥羽天皇の中宮であり、崇徳天皇、後白河天皇の生母である、待賢門院璋子(たいけんもんいん しょうし/たまこ 1101-1145)ゆかりの法金剛院(ほうこんごういん)。 律宗・唐招提寺に属するこのお寺は、元々、平安時代の初め(830)、清原夏野が建てたもので、858年、文徳天皇が大きな伽藍を建て、天安寺としました。 その後、一時荒廃したお寺を、待賢門院が、平安時代の末に復興したものです。 京都市右京区、JR花園駅のすぐ近くです。

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平安後期の国母であった璋子。 その生涯は波乱に富んだものでした。 朝日選書の角田文衛著の「待賢門院璋子の生涯」を読んだことがあるので、お寺、とても興味深かったです。 中央に池があり、周囲に阿弥陀如来(重文)を安置する御堂(みどう)などが建てられています。 花の寺として有名です。 桜、花菖蒲、蓮、菊、紅葉が四季を彩ります。 極楽浄土をイメージしてつくられた庭園には、7月から8月にかけて、浄土の花、ハスが咲き誇ります。

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さて、待賢門院璋子に関連しての話題ですが、かなり有力な説として、西行(1118 - 1190 )が北面の武士であった佐藤義清(のりきよ)時代、璋子(しょうし/たまこ)と一度逢瀬したものの、失恋し、結果、突然の妻子を捨てての出家となったと言われます。 まだ二十代の前途有望で裕福な武家であった義清。 なぜとつぜん出家したのでしょうか? 私は個人的にはこの説、説得力があると思うのですが・・・・ もちろん「親友の死を悲しんで」という他の説もあります。 

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待賢門院璋子は、とても美しく魅力的な女性だったようです。下の画像は、出家後の中年の頃ですが、本当にきれいな方ですね。 しかし、璋子をめぐる話は、たぶん日本史の中でもっともスキャンダラスな一つかもしれません。

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            待賢門院画像  京都 ・法金剛院蔵 制作は12世紀頃と推測される

鳥羽天皇との間に、五男二女をもうけますが、長子である、のちの崇徳天皇は、璋子の養父であり、鳥羽天皇の実祖父である白川法王の子であるといわれます。 そのため、夫の鳥羽天皇は、長男のことを、「叔父子」とよび、嫌いました。 つまり、鳥羽天皇から見れば、自分の子として生まれたが、じつは叔父さんに当たるというわけです。

鳥羽天皇の后になってからも、白川院との関係はずっとつづいていたそうですから、今の時代ならば、トンでもない話です。 当時ですら、この件を奇異に思い、不快に思った人が多かったようです。 ただ、絶対権力者の白川院にたて突く人など誰もいなかったのでしょう。 ブログに書くには、はばかられるような破廉恥な話が多いので、興味のある方は本を読んでくださいね。 

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璋子は現代の社会通念で言うと、白川院の被害者です。 しかし同時に、白川院は絶大な力をもって、彼女を徹底的に保護したのもまた事実です。 読後感として、彼女は、気丈で陽性なタイプだったように思いました。 また、奔放で、白川院の目を盗み、愛人も複数いたようですし・・・・ とても明るく、寛容な、たくましい女性だと思いました。 
白川院が亡くなると、鳥羽院は、重しがとれて、最高権力者となります。 そして、他の女性(美福門院)を寵愛します。 その頃から、璋子の人生は陰りを帯びます。 この法金剛院で落飾。 晩年は失意に満ちたものだったようです。 

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さて、崇徳天皇は後ろ盾の白川院がなくなると、強制的に譲位させられ、美福門院が生んだ近衛天皇が即位します。 その近衛天皇も若くして亡くなり・・・・・やがて、璋子の死後10年ほどで、璋子が生んだ後白河天皇が即位し・・・・ それを不服とする同じ母から生まれた崇徳院とのあいだで不和となり・・・・その不和は、ついに保元の乱へと・・・・あ〜あ!! 人の世はなんという濁世でしょうか!! ドロドロです。  

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ところで、鳥羽院は、美福門院を寵愛したにせよ、璋子にたいしてそれなりに深い愛情をもっていたようですね。 西行は終生、待賢門院を思慕し、女院が失意の日々を送るこのお寺をよく訪れたそうです。 極楽浄土を模してつくられたという庭の池には、いま、ハスが清らかに、泥にまみれず、すべてを浄化するように、天を向いて咲いています。 法金剛院には、ハスの花がよく似合います。

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参考

西行は美貌の待賢門院を思慕し、女院が亡くなられたあと、次の歌を残しています。

     紅葉みて 君が袂(たもと)や しぐるらむ
                 昔の秋の 色をしたひて




つぎの記事 京都・南禅寺をたずねて 祇園祭りのあとの京都はがらがら 




待賢門院璋子の生涯―椒庭秘抄 (朝日選書 (281))
朝日新聞社
角田 文衛

ユーザレビュー:
貴重な労作西行につい ...
保元の乱の原因を作っ ...

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保元の乱前夜 著者:安永明子出版社:日本図書刊行会/近代文芸社サイズ:単行本ページ数:244p発行年

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コメント(16件)

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ごぶさたしています。
ハスの花きれいですね。西行の歌もいいです。
今度京都へ行ったらぜひ訪ねてみたいと思います。
kazu
URL
2009/07/28 11:57
kazuさん、お久しぶりです。
ハス、とてもきれいでした。
京都・コンプレックスでしょうか、それともお寺の雰囲気がいいからでしょうか、近くの学校で咲いているものより、美しく感じるんですよ(笑)
西行の歌、本当にステキです。 コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/07/28 16:17
サファイアさんこんにちは♪

今、
Earth wind & fireを聞きながら
ダエット中ですので
生のにんじんをかじりながら
書き込みしています(笑)

わたしは蓮と睡蓮の差が今までわかりませんでした(笑)
しょっぱなからお勉強になりました
ありがとうございますm(__)m

そして璋子さま
美しいお方ですね

人の世は
今も昔も
スキャンダルだらけですね。。。(笑)

西行さん
出家して
よかったと思いますよ♪

日本に歴史を残しました♪

モニカ
2009/07/29 17:51
モニカさん、こんにちは。ハイ、私もダイエット中です(笑) お互いがんばりましょう!! Earth Wind& Fire, モニカさん、大好きでしたね。この頃は、
私、NEYOにはまっておりまする。チャンスがあれば、載せたいな、と思っていますが、音楽は人それぞれ趣味があるので・・・

本当にそう思います。西行さん、出家してよかったです。
私、レンコン大好きなんですよ。
コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/07/29 18:31
サファイアさん こんにちは。

ハスの花と睡蓮、今まで同じものだと思い込んでました。
お恥ずかしい話しです。
そういわれてみれば、睡蓮って水面に花開いてましたね、確か。

白やピンクの花は見たことがありましたが
黄色は初めて見ました。
どの色も本当にきれいですね。
池に入れないので無理でしょうけど
今度ハスの花を見かけることがありましたら
開いた花が陽に透ける様子を花の裏側から撮ってみたいなーと。
そんな衝動に駆られました。

ピュア
URL
2009/07/30 12:52
表紙の絵、というのですか、テンプレートというのですか、また更新されましたね。
今度のもいいですね。 いつも、楽しみにして、見させてもらっています。

ハスとスイレンは別だったとは! モネの『睡蓮』は観るたびに癒されます。

  睡蓮をわたり了せて蝶高く  高浜年尾
minoc
2009/07/30 15:39
ピュアさん、こんばんは。 黄色のは、なぜか確かアメリカ原産ではなかったかしら? やはり少し感じが違いますよね。私はやっぱり白いのが好きです。

ピュアさんはとても写真が上手だから、ハスなら、すばらしい被写体なので、いい写真が撮れると思います。陽に透けるハスの花、きっとステキでしょうね。

コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/07/30 20:25
minocさん、こんばんは。表紙の絵、乙女チックで気恥ずかしいのですが・・・
十代・二十代の方の趣味みたいですね(笑) 飽きっぽいので、すぐに変えたくなるんですよ。
モネの睡蓮はステキですね。あの睡蓮は池一面に咲いていて・・・
ハスとはやはり感じが違いますね。

「蝶高く」ってかっこいいですね。いい俳句をありがとうございます。 

コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/07/30 20:31
京都に行かれてたんですね。

どの写真もとてもとても綺麗で、
行った気分になりました♪

いつも読み応えのあるブログありがとうございます。
Kay
URL
2009/07/31 21:49
Kayさん、ありがとうござます。

関西にはいつも山のような用事があり、タイトで、京都への時間は中々とれませんでしたが、今回、やっと少し時間がとれました。
京都は日本のやはり原点ですね。 コメントありがとうございます。

☆サファイア
2009/08/01 07:54
サファイアさん、おはようございます。
ハスの花を見ていると、本当にこころが洗われる感じがしますね。私も黄色のは初めて見ました。京都まで見には行けませんが、上野の忍ばずの池のハスも、今頃、きれいに咲いているのかな・・と想像しています。
MOKO
2009/08/01 08:43
モコさん、おはようございます。
忍ばず池、咲いておりました!! ちょっと前に夏休み恒例の科学博物館へ行った折、見えたんですが、きれいでした! あそこの池は大きいので見ごたえがあります。科博はお子ちゃまでいっぱいでした。
どの家も宿題対策、考えることは同じですね(笑)。 コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/08/01 09:39
こんばんわ サファイアさん
東北地方はすっきりした夏空が戻りません。でも、今週から青森の
ねぶたをはじめ、東北の夏を彩る夏祭りが各地で繰り広げられます。
ETC1000円のお蔭で東北道の下りは混雑していました。
 ところで、今回の待賢門院珠子のお話は読み応えがありました。
はすの花を見るたびにきっと連鎖的に待賢門院を関連付け、保元の乱
を思い起こすでしょう。そして、西行です。今日、本屋に行き、西行に
関する1冊を買い求めました。やんごとない貴女との一夜の契りを
歌にしましたが、貴女に阿漕(あこぎ)といわれ悲しんだそうです。(梅原猛)
 その貴女が待賢門院様だったのでしょうか。
 
 思ひきや富士の高嶺に一夜ねて
    雲の上なる月を見むとは    そして
 
 なげけとて月やはものを思はする
    かこち顔なるわが涙かな
                  更に明恵上人、芭蕉、茂吉へと
 はすの花は連想させてくれました。
                         サザンエース
 
 
サザンエース
2009/08/01 22:50
サザンエースさん、おはようございます。今年の天候はおかしいですね。こちらでも、梅雨明け宣言したものの、雨がよく降ります。豪雨が西日本を襲っているので、困ったものです。「ねぶた」を私は見たことがありません。一度見に行きたい、と願っているのですが・・・

西行が「誰」と逢瀬したかについては、他の説もありますね。日本一の歌人(私は西行さんだと個人的に思っています)と中宮璋子なら、ロマンチックこの上ないので、小説家の多くがこの説で、話を進めています。「逢瀬」の事実はともかくとして、西行が璋子のことを終生大切に思っていたのは、さまざまな研究から確実のようですね。「あこぎ」はショックだったでしょうね!! そうピシャと言える人は、きっと身分が高い方に違いありません。 想像がふくらみますね。
コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/08/02 08:23
サファイアさん、ご無沙汰でした。
蓮の花、見事なお写真ですね。黄色の花は初めてみましたよ。私は不忍池でしか愛でたことはありません。京都のでの花はまた違う雰囲気が醸し出されています。教科書に載らない史実はまたおもしろいものがあります。

歌川広重の江戸百景、ゴッホとの関係もおもしろく拝読させていただきました。モネもすごーく影響されているのですよね。江戸百景、今のお江戸の街をどう変ったか歩いてみたいと思っております。
ネピネピ
URL
2009/08/02 12:26
ネピネピさん、お久しぶりです。
不忍池、咲いておりまする!! ←漢字、こうでしたね(笑)
階段の上からちらっと眺めただけですが・・・・

モネは影響されまくっているのでは? ジベルニーのアトリエ、江戸期の浮世絵がどの壁にもびっしり貼ってあるので・・・ジャポニズムは、日本人が思っている以上に影響力があったみたいですね。 江戸がどんなに変ったか、見てみるの、面白いですね!!  コメントありがとうございます。 
☆サファイア
2009/08/02 14:09

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