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zoom RSS ワニと龍 龍の起源は?B & リーフィー・シー・ドラゴン 

<<   作成日時 : 2009/12/11 21:18   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 22

画像私にとって思い出のドラゴンといえば、
リーフィー・シー・ドラゴン(Leafy Sea Dragon)です。
ね、ステキでしょ? リーフィー( leafy )とは、
「葉が茂った」という意味です。 
オーストラリア南部の海に生息しています。
タツノオトシゴに似ていますが、
ヨウジウオ亜科に分類される魚です!
体長は20cm-40cm。

この奇妙な姿じたい、海藻に似せた擬態です。
生息する周囲の環境に合わせ、体の形、色を
変える擬態(ぎたいがとても上手です。

昔、このリーフィー・シー・ドラゴンなど魚の話が一部含まれている仕事に
たずさわったことがあります。 生態とかよくわからず、オーストラリアの魚については、葛西臨海水族園に協力をあおぎ、教えていただきました。 こちらが提出した内容の幼稚さにあぜんとされた水族館の先生方に叱責され、泣くのをこらえ、ひたすら頭を下げていた私。 完璧な内容にしてくださったあと、「リーフィーはうちにいるから見ていきなさい」と言われ、水槽ではじめて対面しました。 

当時覚えていた奇妙な魚たちの名前のほとんどを忘れてしまいましたが、このリーフィーだけは特別。 思い出のドラゴンです。 自分の至らなさを、他からボコボコ叩かれることは大切です。 叩かれないと人は成長しませんから。

下のyoutubeは海にいる野生の状態のリーフィー・シー・ドラゴンです。



さて、本ブログで取り上げてきた「龍の起源」についての諸説、今回が最終回です。<龍の起源はワニ>というのが、<ヘビ起源説>とともによく見かける説です。 ヘビはなんとなくわかりますね。 龍の胴体は、蛇の長い胴体に似たウロコにおおわれたものとして描かれることが多いですから。  

画像ワニの研究者である青木良輔先生の本 「ワニと龍ー恐竜になれなかった動物の話」。 本のタイトルから、龍とワニの話が半々ぐらいに出てくるのかな?と思っていたら、なんと80%がワニの話なのです(笑) そして龍についてはオマケ程度で、それも最初から「龍はワニが起源」と断定しての話となっています(ちょっと不満)

青木先生によれば、龍の正体とは、実在した温帯性巨大ワニ、
マチカネワニとのこと。 このワニ、更新世( 30-50万年前頃)に、日本にいました。 1964年に大阪大学の豊中キャンパスからその化石が出土しています。 

化石は体長は7mぐらい。もっと大きなワニもいたそうですが.... 面白いことは、このワニの学名が、日本神話(古事記など)にでてくる豊玉姫を冠していることです。 どんな名かといえば、Toyotamaphimeia Aoki。 美しいとされている豊玉姫の名をもつのに、ぜんぜん可愛くありませんが........

画像

                    化石標本マチカネワニ 全学共通教育機構


画像 豊玉姫というのは、皆さんよくご存知の山幸彦と海幸彦神話に
 登場する女神です。海神の娘です。青木繁が絵に描いていますよ。
 左の女神がトヨタマヒメ。 右は妹の玉依姫(タマヨリヒメ)。 

 トヨタマヒメは、火遠理命(=山幸彦)と結婚して出産します。
 出産のさいに『古事記』では八尋和邇(やひろわに)の姿、
 つまり、巨大ワニに変身します。 
 『日本書紀』本文ではなんと龍の姿になったんだそうです。 

 出産のさい、「あなた見ちゃダメよ」って釘をさしておいたのに、
 夫である火遠理命(山幸彦)がのぞき見しました。 
 ワニ、あるいは龍の姿になったのを見られたと知って、
 怒ってしまい(あるいは超恥ずかしくて)、
 パパである海神のもと、つまり海へ帰ってしまいました。

 青木繁 わだつみのいろこの宮
 明治40年(1907) 重要文化財 石橋財団・石橋美術館所蔵

青木先生によれば、古代中国(殷の時代ごろ)の当時の揚子江流域には、このトヨタマヒメを学名に冠する巨大ワニ、マチカネワニが生息していた可能性が高いとのこと.......そして巨大ワニこそ、龍の起源であると主張されているのです。 いつ頃、実際にこのワニ、絶滅したんでしょうね? ちなみに、古代中国の揚子江流域には、ふつうサイズのワニはいたそうです。

さあ、どうなんでしょう? ただちょっと疑問に思うのは、中国大陸の最古の文明・文化(新石器時代の文化:紀元前4700年頃-紀元前2900年頃)のひとつである紅山文化が栄え、龍らしき形状のもの(例:猪龍や玉龍など)が最初に現れた地域は、揚子江よりずっと北方です。 中国東北部の遼寧省から内モンゴルにまたがるそうした地域において、いくら温暖性ワニといえ、生き残りが生きていけたのでしょうか? 氷河期の終わりごろに。ワニねぇ〜〜??

私は、ワニより、冒頭のリーフィー・シー・ドラゴンの海を泳ぐ姿のほうが、空を飛翔する龍に似ていると思うのですが.....(笑)

ちなみに、ワニの現生種は熱帯から亜熱帯にかけて23種が分布しています。最大は、オリノコワニでは体長7mぐらいになるそうです。

アーシュラ・K・ル=グウのゲド戦記(原題:、Earthsea)では、つぎのように竜を語っています:

「竜は夢など見ない。竜自身が夢だから。竜は魔法を使わない。その存在自体が魔法だから。

 竜とは、人間による正邪の判断を超えた存在なのです」

私はゲド戦記の上の言葉、とても意味深だと思います。 ここでのゲド戦記はジブリのアニメ映画ではありません。 あのアニメは原作とまったくかけ離れたものなので・・・・ 「竜は夢」! 夢に長らく付き合ってくださいまして、ありがとうございました!! 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

龍やその起源についての諸説の記事一覧はここをクリックしてください。

龍は異次元起源という説もあります。 その関連記事は←クリックしてください。


前の記事 ボルヘス「砂の本」と砂のアート(サンドアート:Sand Art)

龍関連記事 狩野探幽の雲龍図 龍の起源 世界最大の恐竜 マメンキサウルス A へ


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おまけ

@獰猛なワニの話だったので、お口なおしに。 「竜のひげ」という植物があります。ジャノヒゲが正式な名称らしいですが、通称「竜のひげ」。 うちにも植わっています。夏に小さな白い花を咲かせたあと、秋にラピスラズリのような美しい青い実をつけます。 実はとても可愛いですよ。

画像

                         画像: Wikipedia より

Aリーフィー・シー・ドラゴンがいる水族館 他にもいると思いますが・・・・

  東京 葛西臨海水族園   神戸 須磨海浜水族園


ワニと龍―恐竜になれなかった動物の話 (平凡社新書)
平凡社
青木 良輔

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コメント(22件)

内 容 ニックネーム/日時
この子、あいうえおすいぞくかんで描こうと思ってたのですが
難しいのでやめました(笑)
普通のなので、タツノオトシゴを描きました(笑)

あでも、「ら行」でリュウグウノツカイを描くので
お楽しみに♪

そして
龍とワニのお話
興味深いです。


どきどきわくわくしながら読ませていただきました♪

ゲド戦記はわたしも大好きです。
本も読みたいと思います。
ジブリとは
全然お話は違うと聞いてますので余計に楽しみなのです♪
モニカ
2009/12/12 18:31
あれ!?
長文コメントしたけれど
消えちゃった!(笑)
またあとで参りますね!!!
モニカ
2009/12/12 18:33
リーフィシードラゴンに会いたくなりました(^-^)/
Kay
2009/12/12 23:27
龍についての考察、、、
とても興味深く読ませていただきました。
タツノオトシゴくらいしか知りませんでしたので、驚きの連続です。
葛西臨海水族館は、家から比較的近くにありますので、
1度リーフィー・シー・ドラゴン観てみたいです♪
ほんとに空を飛べそうですね。
花帆
2009/12/13 09:33
龍の正体とは、巨大ワニでしたか。なるほど!
うちの近くに竜神を祀った神社があります。雨を降らせる農業神として崇められてきたと聞きます。
あの北斎は冨士の空に昇る龍を遺作に、昇天しました。
東洋の龍は強者のシンボルであるとともに、慈愛の守護神であったようです。その点、火を吐く悪魔的な存在として描かれている西欧のドラゴンとは対象的ですね。
たのしいお話を有難うございました。
minoc
2009/12/13 11:09
モニカさん、返信遅くなってしまいました。
実はモニカさんのお魚図鑑で登場するかな?と待っていましたよ(笑)モニカさんの好きそうなお魚だから(笑)中々登場しないから痺れを切らし、私のほうで?!リュウグウノツカイ、とても楽しみです。海は生命の驚異に満ち溢れていますね!奇妙な形態を見るたびに、デザイナーのすごさ(神様なんだろうけど)に感銘します。 子供たちに、変ったものを拒絶するような狭い人間になってほしくないですね!どんなに変ったものであろうと、地球の一員であるとの視点で欲しいです。多種多様な生命がいて地球は成り立っているという視点! モニカさんの魚の絵本、だからとても重要です!
ゲド戦記は、本のほう(第1巻)は、ユングの「影」がテーマだと思います。影の部分を否定するのではなく、それを融合して初めて一人前になる、というか。 アニメのほうは、「白い影」がテーマだと思います。テーマが「白い影:そのほうがある意味難解かも...」なのと、話が異なることから、別のタイトルをつけたほうがよかったかもしれませんね。 どちらも興味深いです。 コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/12/13 17:29
Kayさん、こんばんは。
リーフィーは、超人気の魚だそうです。形がユニークで、生態も面白く(擬態)などで。 さまざまな色や形に擬態するので、なおさら興味深いです。コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/12/13 17:31
花帆さん、こんばんは。
葛西臨海水族園さまには、私は足を向けて寝ることはできません(笑)あそこすごく広いですね!水族館以外に公園やらいろいろあり。お近くなんですね!私、変った形状のもの、好きなんですよ。デザインのすごさにいつも感嘆します。 南極海の深海魚にもヘンテコリンなのがいっぱいいました。これは上野の科博でお世話になりました。コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/12/13 17:34
minoさん、ありがとうございます。
北斎の富士と龍、そうでしたね。小布施で描いた遺作でしたね! あの絵、かっこいいですね!版画ではなく、肉筆画でしたねね。小布施で実物を見ました。ワニ学者の青木先生、龍はワニだと力説でした。私、少し不満なんですが(笑)よく言われることは、龍をたどれば、人間の起源にすら到達するとのこと。興味深いです。西洋のドラゴンも、グローバル化の影響をもろに受け、近年は良い子ちゃんのドラゴンやお利口さんのドラゴンがひんばんにファンタジーや映画に登場しています。東西の文化はお互いに影響するんでしょうね、特に現代は情報がすぐ行き交いますから。 興味深いです。コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/12/13 17:36
いつも、楽しい驚きに満ちた記事をありがとうございます!
今までの「龍」に関する記事をもう一度読んでみたいと思います。
リーフィー・シー・ドラゴン、いつか本物を見たいなぁ。
ナノカ
2009/12/14 14:41
ナノカさん、こんばんは。
リーフィーがいる水族館はほかにもあると思うのですが、あまり調べていなくて、わかっている所だけを記載しています。こういうのを見ると、生命の驚異と神秘を感じます! コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/12/14 21:02
そうなんですよ!!
人と違うものを受け入れない社会。
わたし、ここに疑問があってね
昔から。

だから
そういう生き物たちもとても生きるうえで
重要なこと
そういうこと
大事だと思うのです。

わかってくださいますか〜〜〜〜(TT)
はじめてかもーー。
ここまで理解してくださってるかた(笑)

ありがとうございます。


ゲド戦記
ユングの影!
これも
驚きました。

またよんでみようと思います。
ありがとうございますm(__)m

モニカ
2009/12/14 21:18
モニカさん
ハイ、同感です。私もそうですけど、人はどうしても先入観、偏見、社会が権威とするものへの依存、などで、対象物をありのまま、そのものじたいを見る目がつい曇ってしまいがちですね。つまり自由ではないんです。「自由な考え」といっても、それにどれだけカラー・フィルターがかかっているか、自戒を込めて思います。だからすぐ決めつけてしまう。決めつければそこから新たなものは生まれないんじゃあないかしら? 子供たちには、こういう旧弊な態度ではなく、本質を自分で見極める目、柔軟に想像力をもって相手を見る目を養ってほしいです。  それから、ユングの「影」と書きましたが、ユング的な「影」と書くべきでした! 第一巻のタイトルは「影との戦い」です。超面白いですよ。ユングお好きだから、きっと気に入られることと思います。
☆サファイア
2009/12/14 23:09
サファイアさん こんばんは。

シー・ドラゴン。
擬態のこの姿、間抜けなほどにかわいくって
それでいてとってもきれい〜♪
色はもう少しベージュがかってた気がしますけど
シー・ドラゴン、水族館で見ました。
ゆらゆら揺れるその姿、いつまで見てても飽きないんですね。

子どもの頃、タツノオトシゴは想像上の生き物だと思ってました。
それが実在することを知った時の興奮。
今でも忘れられません。
なので、今でもなんか特別な存在に思ってしまいます。

龍の起源、勝手にですけど私もこれだと思ってます。(笑)
ピュア
URL
2009/12/14 23:21
あ、書き忘れました。

竜のひげ、実家にも植わってまして
小さい頃、この実を眺めるのが大好きでした。
そしてラピスラズリは、私の一番好きな石です。

アオが好きな私の起源はもしかしたらこの、竜のひげなのかもしれません。
ピュア
URL
2009/12/14 23:24
ピュアさん、こんにちは。
リュウノヒゲの青い玉、とてもきれいですね。あの植物は、実が一番いいような気がします。ピュアさんはタツノオトシゴ説なんですね(笑)。私は異次元起源説に魅力を感じます(笑) どの説もそれなりに説得力があって、面白いです。ただ思うのは、一つだけの説ではなく、長い年月のうちに、いろいろな要素がまざりあい、いまの龍のすがた、ドラゴンの姿になっていったんだと思いますが......リーフィーは興奮しますね!! アレを見たときのびっくりは、言葉に言い表せません。 リーフィーを見ると、ああ、生命は奥深い!とあらためて思います。 コメントありがとうございます。
☆サファイア
2009/12/15 13:26
サファイアさん、こんにちは。
子供の頃、リュウノヒゲの青い玉を見つけて感激したことを思い出しました。
何か宝石みつけたみたいな感じですよね。
リーフィー、私も一度でいいから見てみたいな。以前、フィージーの海でシュノーケリングをした時、カラフルな熱帯魚や珊瑚、イソギンチャク,ヒトデ、ウミウシ等、海の中はまるでファンタジー・ワールド。本当にこの生き物たちのデザイナーさんはすごいですね。あの時よく見ていたら、リーフィーもいたかもしれません。オーストラリアに近い海でしたから。
MOKO
2009/12/19 11:31
モコさん、返信が遅くなりました。このところすさまじく忙しくアタフタです。わっ!いいなぁ!フィージーでシュノーケリングなさったとは!あのあたりは熱帯魚がたくさんいて、海は最高にきれいでしょうね! 私は沖縄の海が熱帯魚をこの目で見た唯一のところです。海の驚くような生き物をじかに見ると、ついデザイナーを考えてしまいますね。そうそう、ウミウシちゃん。あれもすごいです!カラフルだし。 竜のひげの青い実、みなさん、思い出があるようですね。 娘もアレが大好きです。 コメントありがとうございます。
よいお年をお迎えください。
☆サファイア
2009/12/21 17:24
こんばんは。ご無沙汰です。
ディズニーシーの今年で最後のキャンドルライト・リフレクションズはいかがでしたか?
Center of the Earthで「ぎゃー」と地底から空中へ放り出されるときのサファイアさんのお顔を想像しながら読ませて頂きました。
「ぎぇーー」と叫ぶのは私でした(笑)年末のご挨拶ということで、では、また。

ネピネピ
URL
2009/12/21 23:01
ネピネピさん、おはようございます。
そうだったんですか、シーのキャンドルライトは今年で最後とは!知らなかったです。今年きれいなのを見ることができてよかった!
Center of the Earth, 「ぎぇ〜〜」ではなく、「わぁ〜〜〜」と絶叫いたしました(笑)。 ご訪問とコメント、感謝申し上げます。 よいお年をお迎えくださいませ。
☆サファイア
2009/12/22 07:39
はじめまして。私も龍について調べるのが好きでブログにも書いています。
とても参考になる記事でした。
龍について調べていくと、わくわくします。
ありがとうございました。
ハッピードラゴン
URL
2010/01/05 14:43
ハッピードラゴンさん、はじめまして。
ありがとうございます。時折、龍やドラゴンについて書いています。
ハッピードラゴンさんのブログ、少し拝見しました。とても楽しくて情報満載ですね! 弁天様の記事も面白かったです。また遊びにいらしてくださいね。
こちらもハッピードラゴンさんの記事、楽しみにしております。尚私の方は更新が少し遅れております。
☆サファイア
2010/01/05 20:32
ワニと龍 龍の起源は?B & リーフィー・シー・ドラゴン  時空を超えて/BIGLOBEウェブリブログ
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