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help リーダーに追加 RSS 紫式部(ムラサキシキブ)と小式部(コムラサキ)  源氏物語千年紀 ( 3 )

<<   作成日時 : 2008/11/19 19:24   >>

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画像紫にかがやく宝石のような実!「紫式部:ムラサキシキブ」を見つけた、とかたく信じこんでいました→

近所のとある建物の中庭。 あまりにきれいなので、友人とランチしたおりにも、わざわざ見せに連れていき、「紫式部よ」なんて嬉しそうに案内したものでした・・・・

友人も「さすが源氏物語の作者の名前にちなんだだけあって、みやびな紫色ね」なんて感心してましたっけ。

ところが、ところが、この植物、「紫式部」さんではなく、和泉式部の娘の「小式部:小式部内侍」さんらしいのです・・あれまあ?!

大江山 生野の道の遠ければ
          まだふみもみず 天の橋立


もうすぐお正月ですね。 小倉百人一首のかるたでお馴染みの、「大江山〜」を詠んだのが、平安時代の女流歌人、小式部内侍(こしきぶ の ないし: 999 - 1025 )です。



植物名は コムラサキ↓ 別名:小式部(こしきぶ) クマツヅラ科 

画像 「ムラサキシキブ」と「コムラサキ:小式部」は近縁種。 見分けにくいとか。
 ←名前の由来は、ムラサキシキブより小型の潅木であることと、
 歌人、小式部内侍にちなんで名づけられたそうです。

 葉と実の付け方で見分けるそうです。 
 見分け方は、■ ムラサキシキブ ■をクリックしてください。


コムラサキは、ムラサキシキブより実付きがよく、より美しく華やかなことから、園芸店などでは、通称「紫式部」として売られていることも多々あると・・・・そりゃ、そうでしょ! 「紫式部」のほうがネーム・バリューがありますもの。

庭で栽培されているのは、観賞用にすぐれた「コムラサキ」がほとんどだそうです。 英名はPurple beautyberry。
 
いっぽう、山野に自生しているムラサキシキブ↓も、風雅で美しいのですが、実はまばらで、少し地味。 けれど
英名は、"ジャパニーズ・ビューティーベリー Japanese beautyberry" なる優美な名前がついています。

画像

autanさん撮影 ↑ 元のページへ  Creative Commons で利用許可されている写真を掲載 →遵守条項


つまり植物の世界では、小式部さんのほうが紫式部さんより華やかな美しさがある! どうやらこれはふたりの容姿についての史実を反映しているように思いますが・・・・

平安時代、一条天皇の中宮、彰子のサロン。 彰子中宮は権勢を誇る藤原道長の娘でしたので、名だたる才女たちが仕えていました。  このサロンで、紫式部と小式部のママ、和泉式部は同僚でした。 

和泉式部は才能ゆたかな歌人であると同時に、奔放な恋で有名です。 モテモテだったみたい。 きっと色っぽい美人だったんでしょうね。 紫式部は、和泉式部について(倫理的に?)「けしからん」なんて悪口を言っています


画像 ←小式部は、和泉式部と最初の夫(橘道貞)とのあいだの娘。 
 けれどママの奔放さゆえに、「いったい誰の子かわからない」
 といった陰口をたたかれていたようです。 

 そして小式部は十四歳の頃より、和泉式部ママと共に彰子中宮に仕えていました。 
 中宮にも気に入られていたようです。
 
 小式部は、ママと同じく恋愛体質。 やはりモテモテ。 
 ママのDNAを受け継いだ彼女は、才気あふれる明るくてカワイイ人だったようです。  
 しかもちょっと軽い。 だからこそ貴公子たちに人気があったのでしょう。  
 
 しかし彼女は、お産の折、20代半ばの若く美しい絶頂で亡くなってしまいます。
 和泉式部ママは嘆き悲しみます。 

2008年は源氏物語が世に出て千年の記念の年。 1008年には小式部は10歳ぐらいです。 

「源氏」を書いていた紫式部は必ずや、職場の同僚の娘について、よく知っていたことでしょう。 ところで私は大作家、紫式部がすごい美人だったという話を聞いたことがありません。 どなたかあります? 彼女の容姿は、「まあまあ」だったんじゃぁないでしょうか?

「紫式部日記」 ( 読んだのは現代語訳) には、紫式部のかかえている悩みがいろいろ書かれています。紫式部については「意地悪い見方をするイヤの女」といったとらえ方をする人もいます。 そうした面もたしかに・・・

けれど、彼女の悩みのいくつかは、まるで、競争の激しい企業(組織)に勤務する現代の女性が悩んでいるのではないか?と思うほど、今の時代に共通するものです。 

当時の最上流の皇族・貴族がひしめきあい、きら星のような才女ばかりが集う職場では、まじめな(?)彼女は、より緊張を強いられ、精神的にきつかったのかもしれません。 上司(道長)からのセクハラもあるし・・・

画像

                紫式部日記絵巻断簡  鎌倉時代 重文 東京国立博物館


「物語」を書いていることが噂になり、評判が高まるにつれ、彼女は、自分の才能をなるだけ他から隠すように、がんばっています。 不必要な反感を買わないように、地味に目立たないようにする懸命な努力!今も昔も宮仕えとは、誰にとっても、大きなストレスをともなうもの。 ああ、肩がこったことでしょう!  
  
平安時代、王朝文化が咲き誇った時期に人生を歩んだ二人。 もし、紫式部本人に、「どちらの植物の名前になりたいですか?」と問うたなら、きっと彼女はためらわず地味なほう、すなわち、「ムラサキシキブ」を選んだのではないでしょうか?

そして、花の盛りで世を去った小式部に同じ問いかけをしたなら、華やかな実の「コムラサキ=小式部」を選んだような気がしてならないのです。

ふたつの植物のネーミング、センス抜群ですね。誰が命名したのかしら?


 もしかすると日記に載せたのは、ちょっと自慢したのかも・・
「私だって迫られたけど、天下の道長さんを却下したのよ」って

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参考

小式部内侍 Wikipedia ■へ

大江山 生野の道〜 の歌に関するエピソード ■へ


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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、源氏物語のトラコミュからたどってきました。
すてきなブログですね。ムラサキシキブとコムラサキの違い、初めて知りました。またちょくちょくお邪魔するかと思いますが、よろしくお願いいたします。

私のブログのほうへもよかったらおいでください。
http://wakaotazunete.cocolog-nifty.com/blog/
kazu
2008/11/20 18:56
kazuさん、ありがとうございます。 私も二つの植物の違いを知ったのは、ごく最近なんですよ。ここの庭の紫の実をムラサキシキブだと何年も思い込んでいました。ブログを書くにあたり、調べたらどうやら違うことがわかり、念のため、ある方に見てもらったら・・やはりね。
そちらのブログにも遊びにいかせていただきます。 楽しみで〜〜す。
コメントありがとうございます。
サファイア
2008/11/20 19:14
おばんです。サファイアさん
紫式部が活躍した宮廷を女の職場として
とらえ、働く女性の感情をうまく表現されて
読みながら思わずニヤけてしまいました。
流石です。
我が家にあるシキブもムラサキシキブと思っていましたが
改めて見ると、やはりコムラサキでした。
美しい紫球はムラサキシキブの名に恥じない優雅さを
持っていると思い込んでいましたが、自由奔放に生きた、
和泉式部を連想させるコムラサキこそが似つかわしいと
考え方も変わってしまいました。
又、高校の古文の授業で紫式部と和泉式部
の生き方の違いを習った記憶が少し甦りました。
 前掲の金色の と幻想的な写真にコメントが
遅れてしまいごめんなさい。
  
 
 
サザンエース
2008/11/21 20:49
サザンエースさん、おばんです。そちらのお庭にはコムラサキがあるのですか! いいですね!とてもきれいでしょ? ウチも植えようかな?っと考えていたところです。 紫の実、大好きですから。ムラサキシキブの苗は園芸店では売っていないようですね。

紫式部を当時の一種のキャリアとして考えるのは、どうやら今日は一般的な見方になっているようですが・・・官民どちらにせよ、お勤めは本当に大変です。職場にはヤな人もいるし・・毎日通勤してくださる(or してくださった)大黒柱に感謝しないといけませんね。 コメントありがとうございます。
サファイア
2008/11/21 22:03
世界の最古で最高の女性文学者・紫式部!
王朝期の男女の息遣いまで書きとめた才女!
しかし彼女自身の生活は平坦でなかったにしろ、女性のそそとした美しさが日記などから垣間見られます。ちょうどサファイアさんの写真にある「ムラサキシキブ」のように。(コムラサキ? ま、近縁種で似たたようなもので・・・。サファイアさんの毎度の詮索癖には、うれしくなります!)
わが家のムラサキシキブ?は、はやばやと小鳥たちに食べられてしまいましたが、『源氏物語』の濃厚な味がする、といっていたかどうか(笑)
いつものように、楽しく閲覧させていただきましたよ。
minoc
2008/11/22 13:53
minocさん、こんばんは。わぁ!そちらのお庭にもムラサキシキブがあるんですか!いいですね! やはり秋を彩る紫の玉ですので、人気があるんでしょうね。小鳥がいかにも好みそうです。
そうですね、彼女はたしかに美に対しての意識がとても高い人ですね。あの時代の貴族階級では、元々そうじゃあないとやっていけないんでしょうが、読んでいると、彼女は細かいところをよく見ているので、ほほえましいです。鋭いとも言えますが・・・実のところ、どんな容姿だったかはわかりませんよね。今の基準でいくと、かなりの美人に入ったかも(笑)
コメントありがとうございます。
サファイア
2008/11/22 18:11
私も勘違いをしていました。今回の紫式部と小式部と関連させての考察、とっても面白かったです。きっともう間違えないでしょう!
今の大河ドラマで、大奥の美しく、有能な女性たちを見ていると、きっと平安時代の宮廷の女官たちも、美しさと教養だけでなく、有能さも競い合っていたのだと思うと、彼女たちのストレスはいかばかりだったでしょう!?パワハラもセクハラも当然の社会だったですし。
今回も楽しませていただきました。
ありがとうございます♪
norako
2008/11/24 14:36
norakoさん、ありがとうございます。大奥とか宮廷に仕えていた女性たち、本当にストレスいっぱいだったでしょうね。紫式部日記を読んでいると、彼女のため息がこちらまで伝わってきて、私まで息苦しくなります。「ああ、しんど!」って感じ。一緒に同車する人から露骨に嫌な顔されたり、色々他にも・・・傷つくことも多かったでしょうね。その中で源氏を書いていくのですから、ホントにすごい気力の方ですね。 コムラサキ、とてもきれいですね。見ほれてしまいます。この植物は「小式部」さんだなあ、と若くして逝った彼女の愛らしい容姿を反映しているようで、命名の絶妙さに感心します。たぶん命名者は古典に詳しい方なんでしょうね。牧野博士かしら? コメントありがとうございます。
サファイア
2008/11/24 20:24
サファイアさん今晩は。またも素敵な記事ですね。ムラサキシキブはその名の持つ高貴さに一目置かれる植物ですね。
コムラサキもあったなんて知りませんでした。多分混同していましたね。
<源氏物語>世界最古のラブストーリー。日本・世界の宝物ですね。紫式部・・今で言えばどんなタイプの才女なのかなぁ・・ちょっと考えつかないですね。紫の上が作者自身ですから、やっぱり大和撫子の原型となる方かしらね。写真綺麗です♪紫の粒、宝石のようですね。
織音
2008/11/25 21:42
織音さん、ありがとうございます。山野に自生するムラサキシキブはかなり貴重な植物みたいですよ。中々みつからないとか。でも織音さんのお住まいのあたりにはあるんじゃあないでしょうか。コムラサキもとてもきれいですが、私は山野に咲く、「紫式部」さんを一度は見てみたいなあと願っています。かなり大きくなるようです。どんな方だったんでしょうね?
彼女は作家だから、とてもクールな目で物事の真相までとらえるタイプのしっかりした方かしら?なんて想像しますが・・・曽野綾子さんみたいな感じ? 日記を読む限りは、他者への批判精神旺盛な方ですね。 清少納言のこと、ボロボロに悪口を書いています。他の悪口もけっこう。でもそれぐらい鋭くないと、源氏はとうてい書けないのかも・・・源氏の新たな英訳はとても評判が良いそうで、海外でも、もっともっと知られるようになってほしいです。おっしゃるとおり、日本の宝物ですね。コメント、ありがとうございます。
サファイア
2008/11/25 23:22
サファイアさん、おはようございます。
コムラサキたまに近くで見かけます。青紫色の小さな
粒がとても上品で美しいですよね。亡くなった母が大好き
だった色なのでコムラサキを見る度に母を思い出します。
「源氏物語」の新たな英訳そんなに評判がいいんですか?
おそらくかなり難しいでしょうね。でもちょっぴり読んでみ
たい気がします。
MOKO
2008/11/26 09:01
サファイアさん 
こんにちは。 ご無沙汰していました。

ムラサキシキブとコムラサキのこんな違いは初めて知りました。
ジャパニーズ・ビューティーベリー。。。なんて素敵な名前なんでしょうね。

こちらを訪問すると、会員様用のコメント欄しか表示されないことが多いのですけど
私の開き方が何か違うんでしょうか。。。?
ピュア
URL
2008/11/26 16:58
MOKOさん、こんばんは。お母様のお好きな色だったんですね。私もあの色大好きです。
英訳については、サイデンステッカーが1970年代に出した訳でずっと来たわけなのですが、2000年代に入ってから、ロイヤル・タイラー(Royall Tyler)訳が出ました←すごく評判がいい。私は未読ですが、読んだ人(イギリス人とイタリア人)に聞くと、サイデンさんのより、臨場感(?)があり、生き生きとしているらしいのです。また註もしっかり入れてあるそうで、とても高い評価を海外で得ていて、多くの方がこのタイラー訳をきっかけに源氏に、ひいては日本文化に興味をもつようになるそうなんですよ。それで、日本人として源氏をまったく知らないということでは、はじゅかしいので、娘には、せめて、例の「大和源氏」(笑)ぐらいはしっかり読んでもらいたいものだ、と思っています。 この人たちと話していると、ごく当たり前に「空蝉」とか「夕霧」とか出てくるんです。
きっとそのうち、世界の「源氏」になるのでしょう。 コメントありがとうございます。
サファイア
2008/11/26 19:31
ピュアさん、こんばんは。なにかコメント欄の非表示でご迷惑をかけたようで、ごめんなさい。 原因はよくわからないのですが、私が一般用のコメント欄を開け忘れたか、あるいは、ウエブリブログの不調かもしれません。私、すごくドジなので、私の不注意の可能性が高いですが、一応よくこれから注意しますね。ご指摘ありがとうございます。私の方では全然わからなかったですから。 

両方の植物とも実が紫色でホントにきれいですね。 源氏を書いた紫式部は、作中のヒロイン、紫の上の名前にちなんで、紫式部と呼ばれるようになったとか。本当の名前は不明です。 紫の上は、理想の女性とよく言われますが、男性にとってならわかりますが、はたして女性にとってそうなのかはかなり疑問ですね。とても悲劇的。紫の上はあくまで創作上の人物ですので、どれだけ作者本人を反映しているかは、よくわかりませんが、ヒロインも作者、どちらもこのJapanese Beautyberryのような紫色が似合う人だったんじゃあないかな?と私は想像しています(笑 妄想かもネ)
コメントありがとうございます。
サファイア
2008/11/26 21:56