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近所のとある建物の中庭。 あまりにきれいなので、友人とランチしたおりにも、わざわざ見せに連れていき、「紫式部よ 」なんて嬉しそうに案内したものでした・・・・友人も「さすが源氏物語の作者の名前にちなんだだけあって、みやびな紫色ね」なんて感心してましたっけ。 ところが、ところが、この植物、「紫式部」さんではなく、和泉式部の娘の「小式部:小式部内侍」さんらしいのです・・あれまあ?! 大江山 生野の道の遠ければ まだふみもみず 天の橋立 もうすぐお正月ですね。 小倉百人一首のかるたでお馴染みの、「大江山〜」を詠んだのが、平安時代の女流歌人、小式部内侍(こしきぶ の ないし: 999 - 1025 )です。 植物名は コムラサキ↓ 別名:小式部(こしきぶ) クマツヅラ科 「ムラサキシキブ」と「コムラサキ:小式部」は近縁種。 見分けにくいとか。←名前の由来は、ムラサキシキブより小型の潅木であることと、 歌人、小式部内侍にちなんで名づけられたそうです。 葉と実の付け方で見分けるそうです。 見分け方は、■ ムラサキシキブ ■をクリックしてください。 コムラサキは、ムラサキシキブより実付きがよく、より美しく華やかなことから、園芸店などでは、通称「紫式部」として売られていることも多々あると・・・・そりゃ、そうでしょ! 「紫式部」のほうがネーム・バリューがありますもの。 庭で栽培されているのは、観賞用にすぐれた「コムラサキ」がほとんどだそうです。 英名はPurple beautyberry。 いっぽう、山野に自生しているムラサキシキブ↓も、風雅で美しいのですが、実はまばらで、少し地味。 けれど 英名は、"ジャパニーズ・ビューティーベリー Japanese beautyberry" なる優美な名前がついています。 autanさん撮影 ↑ 元のページへ Creative Commons で利用許可されている写真を掲載 →遵守条項 つまり植物の世界では、小式部さんのほうが紫式部さんより華やかな美しさがある! どうやらこれはふたりの容姿についての史実を反映しているように思いますが・・・・ 平安時代、一条天皇の中宮、彰子のサロン。 彰子中宮は権勢を誇る藤原道長の娘でしたので、名だたる才女たちが仕えていました。 このサロンで、紫式部と小式部のママ、和泉式部は同僚でした。 和泉式部は才能ゆたかな歌人であると同時に、奔放な恋で有名です。 モテモテだったみたい。 きっと色っぽい美人だったんでしょうね。 紫式部は、和泉式部について(倫理的に?)「けしからん」なんて悪口を言っています ←小式部は、和泉式部と最初の夫(橘道貞)とのあいだの娘。 けれどママの奔放さゆえに、「いったい誰の子かわからない」 といった陰口をたたかれていたようです。 そして小式部は十四歳の頃より、和泉式部ママと共に彰子中宮に仕えていました。 中宮にも気に入られていたようです。 小式部は、ママと同じく恋愛体質。 やはりモテモテ。 ママのDNAを受け継いだ彼女は、才気あふれる明るくてカワイイ人だったようです。 しかもちょっと軽い。 だからこそ貴公子たちに人気があったのでしょう。 しかし彼女は、お産の折、20代半ばの若く美しい絶頂で亡くなってしまいます。 和泉式部ママは嘆き悲しみます。 2008年は源氏物語が世に出て千年の記念の年。 1008年には小式部は10歳ぐらいです。 「源氏」を書いていた紫式部は必ずや、職場の同僚の娘について、よく知っていたことでしょう。 ところで私は大作家、紫式部がすごい美人だったという話を聞いたことがありません。 どなたかあります? 彼女の容姿は、「まあまあ」だったんじゃぁないでしょうか? 「紫式部日記」 ( 読んだのは現代語訳) には、紫式部のかかえている悩みがいろいろ書かれています。紫式部については「意地悪い見方をするイヤの女」といったとらえ方をする人もいます。 そうした面もたしかに・・・ けれど、彼女の悩みのいくつかは、まるで、競争の激しい企業(組織)に勤務する現代の女性が悩んでいるのではないか?と思うほど、今の時代に共通するものです。 当時の最上流の皇族・貴族がひしめきあい、きら星のような才女ばかりが集う職場では、まじめな(?)彼女は、より緊張を強いられ、精神的にきつかったのかもしれません。 上司(道長)からのセクハラもあるし*・・・ 紫式部日記絵巻断簡 鎌倉時代 重文 東京国立博物館 「物語」を書いていることが噂になり、評判が高まるにつれ、彼女は、自分の才能をなるだけ他から隠すように、がんばっています。 不必要な反感を買わないように、地味に目立たないようにする懸命な努力!今も昔も宮仕えとは、誰にとっても、大きなストレスをともなうもの。 ああ、肩がこったことでしょう! 平安時代、王朝文化が咲き誇った時期に人生を歩んだ二人。 もし、紫式部本人に、「どちらの植物の名前になりたいですか?」と問うたなら、きっと彼女はためらわず地味なほう、すなわち、「ムラサキシキブ」を選んだのではないでしょうか? そして、花の盛りで世を去った小式部に同じ問いかけをしたなら、華やかな実の「コムラサキ=小式部」を選んだような気がしてならないのです。 ふたつの植物のネーミング、センス抜群ですね。誰が命名したのかしら? * もしかすると日記に載せたのは、ちょっと自慢したのかも・・ 「私だって迫られたけど、天下の道長さんを却下したのよ」って ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考 ■ 小式部内侍 Wikipedia ■へ ■ 大江山 生野の道〜 の歌に関するエピソード ■へ 源氏物語関連記事 ■体が香る人 源氏物語 薫の君のような人は実在した? ■へ ■ 須磨へ流された光源氏のモデルは? ■へ |
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はじめまして、源氏物語のトラコミュからたどってきました。 |
kazu 2008/11/20 18:56 |
kazuさん、ありがとうございます。 私も二つの植物の違いを知ったのは、ごく最近なんですよ。ここの庭の紫の実をムラサキシキブだと何年も思い込んでいました。ブログを書くにあたり、調べたらどうやら違うことがわかり、念のため、ある方に見てもらったら・・やはりね。 |
サファイア 2008/11/20 19:14 |
おばんです。サファイアさん |
サザンエース 2008/11/21 20:49 |
サザンエースさん、おばんです。そちらのお庭にはコムラサキがあるのですか! いいですね!とてもきれいでしょ? ウチも植えようかな?っと考えていたところです。 紫の実、大好きですから。ムラサキシキブの苗は園芸店では売っていないようですね。 |
サファイア 2008/11/21 22:03 |
世界の最古で最高の女性文学者・紫式部! |
minoc 2008/11/22 13:53 |
minocさん、こんばんは。わぁ!そちらのお庭にもムラサキシキブがあるんですか!いいですね! やはり秋を彩る紫の玉ですので、人気があるんでしょうね。小鳥がいかにも好みそうです。 |
サファイア 2008/11/22 18:11 |
私も勘違いをしていました。今回の紫式部と小式部と関連させての考察、とっても面白かったです。きっともう間違えないでしょう! |
norako 2008/11/24 14:36 |
norakoさん、ありがとうございます。大奥とか宮廷に仕えていた女性たち、本当にストレスいっぱいだったでしょうね。紫式部日記を読んでいると、彼女のため息がこちらまで伝わってきて、私まで息苦しくなります。「ああ、しんど!」って感じ。一緒に同車する人から露骨に嫌な顔されたり、色々他にも・・・傷つくことも多かったでしょうね。その中で源氏を書いていくのですから、ホントにすごい気力の方ですね。 コムラサキ、とてもきれいですね。見ほれてしまいます。この植物は「小式部」さんだなあ、と若くして逝った彼女の愛らしい容姿を反映しているようで、命名の絶妙さに感心します。たぶん命名者は古典に詳しい方なんでしょうね。牧野博士かしら? コメントありがとうございます。 |
サファイア 2008/11/24 20:24 |
サファイアさん今晩は。またも素敵な記事ですね。ムラサキシキブはその名の持つ高貴さに一目置かれる植物ですね。 |
織音 2008/11/25 21:42 |
織音さん、ありがとうございます。山野に自生するムラサキシキブはかなり貴重な植物みたいですよ。中々みつからないとか。でも織音さんのお住まいのあたりにはあるんじゃあないでしょうか。コムラサキもとてもきれいですが、私は山野に咲く、「紫式部」さんを一度は見てみたいなあと願っています。かなり大きくなるようです。どんな方だったんでしょうね? |
サファイア 2008/11/25 23:22 |
サファイアさん、おはようございます。 |
MOKO 2008/11/26 09:01 |
サファイアさん |
ピュア URL 2008/11/26 16:58 |
MOKOさん、こんばんは。お母様のお好きな色だったんですね。私もあの色大好きです。 |
サファイア 2008/11/26 19:31 |
ピュアさん、こんばんは。なにかコメント欄の非表示でご迷惑をかけたようで、ごめんなさい。 原因はよくわからないのですが、私が一般用のコメント欄を開け忘れたか、あるいは、ウエブリブログの不調かもしれません。私、すごくドジなので、私の不注意の可能性が高いですが、一応よくこれから注意しますね。ご指摘ありがとうございます。私の方では全然わからなかったですから。 |
サファイア 2008/11/26 21:56 |
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