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help リーダーに追加 RSS ヤマトタケルの草薙剣ミステリー 竜の剣 2 

<<   作成日時 : 2008/03/11 07:27   >>

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 久しぶりに竜の剣のお話です。三種神器の一つ、草薙剣(くさなぎのつるぎ)が熱田神宮に祀(まつ)られているところまで話をして、そのままになっていた記事の続きです。

 草薙剣は、天照大神(アマテラス)の弟、須佐之男命(スサノオ)がヤマタノオロチを退治したさいに、そのしっぽから出現した剣です。その時の名前は「天叢雲剣 :あめのむらくものつるぎ」。

画像  日本武尊
 青木繁 1906 東京国立博物館蔵
 
 ヤマトタケル(日本武尊)が東征に出発するにあたり、伊勢神宮で叔母上の倭姫命:ヤマトヒメノミコトよりこれを受け取り、相模(さがみ)or 駿河で、この霊剣によって野火の難をなぎ払い、「草薙剣」の別名がついたとされています。

 ←絵の中で草薙剣をたずさえてますね。

 



 さねさし 相模の小野に燃ゆる火の 火中(ほなか)に立ちて 問ひし君はも

画像 走水の海(現 浦賀水道)で、海が荒れて船が進めなり、ヤマトタケルの最愛の妃、弟橘媛命:オトタチバナヒメが海の神をしずめるため、荒海に身を投じる前に詠んだ歌ですね。(古事記のみに出ている)

 みなさん、この歌、高校の古文で出てきませんでした? 私の古文の教科書にはこの歌、収録されていました。「さねなし」は相模(さがみ)にかかる枕言葉だと習いました。

 <相模の国の野原で、あなたは剣で草をなぎはらい,燃え立つ火の炎の中に立ち、自身の生命の危機のさなかに、私のことを心配し、必死で「大丈夫か?」と呼びかけてくださいましたね。ああ、愛しいあなた> という意味ですね。 (感情移入しすぎの意訳かも)

 愛を回想し、夫にその使命を達成させるため、みずからの命を海の神に捧げる弟橘媛。

 この神話のエピソード、愛による行動の真髄があらわれていると思います。

 ここで重要なのは、女は自発的に命を捧げたのですが、その背景には、男が、愛に裏打ちされた行動をこれより先にとっている点です。男は命の危険のただ中で、我が身のことより、女の身を案じたのでした。(←この点を世の男性は見逃しがちだと思うのですが・・・)

 これが、女のハートを射ぬき、突き動かすのだと思います。 ハイ、この私だって、ヤマトタケルのような男のためなら、何をためらいましょう、海にジャボーンと飛び込みますわよ(どうか、サメが寄ってきませんように!)。


 熱田神宮
画像 東征からの帰途、ヤマトタケルは、相模の野で草をなぎ払った草薙剣を、尾張(現 名古屋)で結婚したミヤスヒメ(宮簀媛)のもとに置いたまま戦に出かけ、伊吹山の神に負けてしまいます。結局この時の負傷(?)のせいでしょうか、尊(みこと)は病となり、亡くなります。ミヤスヒメは尊の死を悼んで、草薙剣を尾張の熱田の社(現 熱田神宮)に祀りました。

 ちなみに、草薙剣ほど謎の多い剣はありません。ミステリーが渦巻いています。

 またこの剣には、強力な護身のフォース(霊力)があるようで、ヤマトタケルは草薙剣を持たずに戦場におもむいた結果、敗北し亡くなってしまうのです。

 平家物語(巻 十一 剣の段 )によると、その後、草薙剣には、天智天皇の時代、新羅(しらぎ)の僧、道行によって盗み出されるという事件@がありましたが、無事に戻りました。。(この話は日本書紀にもある)

 さらに、天武天皇の時代には、一時期、内裏=宮中に置かれたそうですが、祟り(たたり)があるとされA、熱田に戻されたとしています。 (熱田に戻した時期には諸説ある)

 上の@Aにおいても、剣はすさまじい霊威をあらわにします。特にAにおいては、気がふれた陽成天皇がこの剣を抜いたところ、光が電光のごとくピカッと輝いたので、恐怖のあまり、投げ捨てると、ひとりでに剣はさやに収まったといいます。(この話は古事談にも収録)
 
 霊剣は宮中より熱田に戻され、ご神体として祀られて今にいたるとか。

 さて、ここで誰もが疑問に思うのではないでしょうか。草薙剣は、源平合戦で壇ノ浦(だんのうら)で海に沈んだのではなかったかと。 沈んだ剣と熱田神宮にあるという剣、どちらも草薙剣です。いったいこれはどういうことなんでしょう?

   
 源氏の軍船に追いつめられる、安徳天皇、二位尼、後の建礼門院の乗る御座船 
 平家物語絵巻 林原美術館 
画像
 壇ノ浦(だんのうら)の戦いで、源義経らに敗れた平家一門は、つぎつぎと海中に身を投げました。

 二位殿やがて抱き奉て、
 「波の下にも都のさぶらふぞ」と慰め奉り、千尋の底にぞ沈み給ふ

  と平家物語が語るように、文治元年(1185)、当時八歳の安徳天皇は、「海の中にも都がありますぞ」となぐさめる祖母の平清盛の妻時子=二位尼(にいのあま)に抱かれて入水します。

 このとき二位尼は、三種の神器のうち、神璽(しんじ)=八尺瓊(やさかに)の勾玉(まがたま) を脇にはさみ、剣(草薙剣)を腰に差して入水しました。 鏡は船に残されました。

 天皇の母である建礼門院は飛び込んだものの、源氏方によって引き揚げられました。

 三種の神器のうち、神璽(八尺瓊の勾玉)を入れてある箱< しるしの御箱 >は波間に浮いているところが発見され、勾玉は回収されました。 ところが、宝剣、草薙剣は大捜索がおこなわれたものの、ついに発見されることはなかったのです。

         
     壇ノ浦古戦場 下関市HPより 
画像


 下は二位尼の辞世の歌だとされています。

 今そ知る みもすそ川の 御ながれ 波の下にも みやこありとは

 
 草薙剣は、海ふかく沈み、永遠に失われたのでしょうか?
 この時の剣と熱田にあるという剣との関係は?
 
 平家物語と源平盛衰記は、宝剣のゆくえについてじつに驚くべきことを語っています。


 長くなりましたので、つづきは次回にしたいと思います。

 読んでくださいましてありがとうございました。

 関連記事■スサノオの竜退治 草薙剣は竜の剣 1 ■へ



つづきの記事■壇ノ浦で沈んだ草薙剣 竜の剣 3 ■へ
                           

................................................................................................................................................................... 
以下は参考にしていただければ幸いです。

安徳天皇
 高倉天皇と平清盛の娘徳子の間に生まれた第一皇子。
 国政の実権を握っていた外祖父清盛の意により、生後一ヶ月で立太子。
 清盛が治承三年(1179)クーデターで独裁体制を築くと翌年三歳で即位。
 1183年、源義仲の軍勢に京を追われ、平家一門とともに西国を転々とし、
 1185年、祖母の平時子(二位尼)に抱かれて壇ノ浦で入水。

 このとき三種の神器のうち宝剣 ( 草薙剣 )が海中に没した。



平家物語絵巻 紙本著色 三十六巻  江戸時代
 平家一門の栄枯盛衰を題材とした平家物語を絵画化した絵巻
 ■岡山県 林原美術館

「草薙剣」が出てくる記紀の話をもとにした映画があります。 ツタヤなどで借りることができます。 どちらも見ました。 クリックすればアマゾンの説明へ。レヴューが笑えます。

日本誕生 1959 / 2007
画像
 超オールスター・キャストの大作。ヤマトタケル、イザナミノミコトの有名なエピソードをすべて網羅している。スサノオとヤマトタケルは亡くなった三船敏郎の二役。なんと三船敏郎の女装シーンまである(笑)。オトタチバナヒメは司葉子。





                                ヤマトタケル 1994 
画像 
 こちらもオールスター・キャストな特撮ファンタジー。「ゴジラ」のスタッフが特撮に参加しつくられた少しSFぽい映画です。ヤマトタケルは高嶋政宏 オトタチバナヒメは沢口靖子。










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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
うふふ。サファイアさんの視点が好き(*^_^*)
そうですよね。先にヤマトタケルの行為があるのですよね。
宝剣の行方、気になります。
続きを楽しみにしてます。
norako
2008/03/10 22:46
ヤマトタケルと弟橘媛はこの歌とともに永遠ですね。
心打たれます。草薙剣の件は、ホント謎ばかり。誰かこれで面白い小説書いてくれないかしら?って願っています。コメントありがとうございます。
サファイア
2008/03/10 23:37
おはようございます

続きが。。。
非常に気になります。。。


楽しみに次回の日記をお待ちしております。
モニカ
2008/03/11 09:32
コメントありがとうございます。ハイ、これから少しまとめてまたアップしたいと思います。かなり込み入っていているので、うまくできるかどうか・・・モニカさんのステキな絵も楽しみにしています。
サファイア
2008/03/11 20:09
こんばんわ
古代ローマ史からヤマトタケルまで地球上の
古代史を探求している様子で楽しくなります。
宮城県の田舎には須佐命のお神楽があり、小さいころ
お祭りで上演されたものでした。
 サファイアさんの文章も軽妙で早く続きを
みたいものです。
 私も稚拙なブログがあります。暇なときに
一読下さい。
 ではお休みなさい。
サザンエース
URL
2008/03/11 22:50
URL変更訂正しました。
サザンエース
URL
2008/03/11 23:00
コメントありがとうございます。趣味で自分の好きなことだけを書いていますが、楽しんでいただけると嬉しいです。興味がすぐ色々散るためまとまりがつかないものになっています。サザンエースさんのブログのほうへも遊びにいかせていただきます。
サファイア
2008/03/12 09:29