龍あらわる 中華怪有編 西村康彦著 前に、古代中国の伝説の王朝、「夏』の時代にいた龍使い一族「拳竜氏(かんりゅうし)」についてお話したと思います。 最近西村康夫氏の『龍あらわる』を読んだのですが、とにかくこの本、オモシロイ!(中国の歴史が好きな人にはタマラナイのではないかしら) 本書によると、龍をじっさいに見たという記述は、『史記』のみならず、はるか昔、約3500年以上前の甲骨文の中の記録に始まり、その後約一千年にわたりえんえんと各文書に登場するそうです。それらの龍に関する記述は、「空想の霊獣の域をこえた、生気あふれる実在の姿を今に伝えている」と著者は言います。「そこには、何世紀にもわたる間、さまざまなひとに目視された龍の形状、色、姿態、声、棲息のありさま........などが詳細に書きとどめられている」ことから、氏は「龍の実在を信じてやまないひとり」だとか。←私もそうなので、ホントに嬉しい! 甲骨文 説明は←をクリック 伝説の王朝「夏」であれ、龍であれ、「たかが伝説」とバカにしてはいけない、と私は思いますが.... なぜなら、あのシュリーマンだってホメロスの語った世界を信じて、当時、伝説あるいは神話にすぎないとされていたトロイ(ア)の遺跡を掘り当て、「プリアモスの宝?」を見つけたのですから。話をもどして、『龍あらわる』の中から少し紹介すると、↑↓の「」は引用部分 「..略....紀元前八世紀頃になると、龍を実見したという記録はさらに増え、そればかりではなく龍を飼養し、また食用としたという記述も登場する。こうした背景をもとに記されたのが、『春秋左氏伝』中の一文であろう。」 中国の山西省の地図![]() 「魯の昭公二十九年(BC513)秋、....晋国の(今の)山西省侯馬の近郊に龍があらわれた。人々は大いに恐れ慌て、捕獲を考えたひともあったが、結局は怖くなり果たせなかった。」 そこで貴族の魏子献は、博学で知られる太史官(史官)に龍の捕獲はむずかしいのか?と尋ねると、太史官は、 『龍を捕らえることができないというのは、今のひとはもうその技を知らないということだけであります。古代には龍を捕獲するばかりでなく、龍を飼養する役の官吏や、龍を屠殺する専門家や飼いならしてこれに乗る者までありました』と答え、以前、記事で紹介した、元祖竜使いの「拳竜氏(かんりゅうし)」について語りました。 →関連記事 (注)太史官のいう古代とは、伝説の王朝、「舜」、「夏」の時代のこと 太史官によれば、龍使い一族は、姓は董(とう)、名は拳龍(かんりゅう:龍を養い飼うの意) で、舜(しゅん)から夏(か)の時代、龍の飼育場をもち、飼いならした龍に、代々の帝王たちは乗り、あるいは雌雄ひとつがいの龍がひく「のりもの」に乗っていたとのこと。また、帝王たちは龍を食肉として食べていたということです。←鶏肉のように美味らしい。『史記』とは話が少し食い違う点もありますが、だいたいは同じです。 それで、魏子献は、『その龍が、なぜ今は珍しいものになってしまったのか』 『龍は水に生きる動物ですが、さっきんは水辺の管理にあたる官吏も怠慢で涸干するところが多く、よって龍も多く生息できなくなってしまったのです』 と太史官は答えたのであった」 ( 『春秋左氏伝』) .................................................................................................................................................... 龍紋の玉製品 『春秋左氏伝』の内容で気になるのは、青の太字で表示した部分です。晋の国は現在の山西省にあったのですが、山西省は近年大変な水不足なのです。山西省といえば、黄土高原に位置する中華民族発祥地のひとつ。つまり中華文明発祥の地なのです。水不足は、この省だけの問題ではなく、中国全体の大問題になりつつあります。各新聞やメディアも報道していますが、World Watch Instituteのレポートによると ↓「中国を流れる二大河川のうち北部に位置する黄河は、1972年に初めて数週間干上がるという事態が発生した。そして1985年以降、ほぼ毎年断続的に黄海まで届かず、海への窓口である山東省にすらたどりつけないこともあった。地下水位が低下しているため、井戸が枯れ河川は姿を消しつつある。山西省の主要水路である汾河は、以前は省都の太原を通り抜け黄河と合流していたが今はもう存在しない」 で、↑こんなことありえるのかな?と疑問に思い、調べたところ、『黄土高原レポート』(←クリック)を見つけました。本当に断流しているみたい。びっくり。 また、「山西省の一人あたり年間の水使用量は、中国全土で最も少なく、168立方メートルだった」そうです。(2004年 水利部 中国水資源公報) ←信じられます?この少なさ。水をジャブジャブ使う日本から見ればおどろくべき数字です。 節水したのではなく、水じたいがやはり少ないのでしょうね。かなり大きな川が途中で断流して消えてしまっているようです。水確保が大変でしょう。ちなみに、2002年の統計ですが、日本の一人あたり年間の水使用量は約669立方メートルだそうです。 かつての晋の国が栄えた山西省では、龍の住み心地も悪いんじゃあないかな?たとえそれが、三次元とは異なる次元の龍だとしても。 『春秋左氏伝』の記述から、すでにこの頃からじわじわと水資源への環境破壊が始まっていたのではないでしょうか?人類は、農耕が盛んになると、人口が増え、ますます水を使うようになっていったでしょうから。 さて、『春秋左氏伝』に出てくる龍は、水に棲むと同時に、帝が乗ったり、「のりもの」を牽いたそうですから、水陸両生、つまり、両生類のような感じですね。かなり大型生物のようですが.... 一方、前に紹介した『史記』では、空から飛来したそうですから、翼竜の仲間のような感じですね。さて、どんな生き物なんでしょう?!もしかしたら、水、陸、空、OKだったのかも。←まさか!とは思いますが、そうだとしたらホントにすごい。 現在の龍の定番の姿形ができあがる前の古代中国では、いろいろな龍の形があったようなのです。←その話は別の機会に。 私はずっと龍の原型となった生き物が、翼竜の仲間だったらいいなあ、と願ってきました。そうであれば、『エラゴン』のように、ドラゴンライダーとして空を飛べるからなんですが(笑)......... 長くなったので、ここらで一休み。最後に「夏」につづく殷周時代の遺跡から出土したすばらしい龍形杖頭 の写真と説明が↓のサイトで見ることができますので、興味ある方はぜひ。http://abc0120.net/words/abc2007083010.html 殷周時代は約3500〜3000年前 ↑はるか古代より、こうした龍のすがたがリアルに青銅器、玉器など、他にも数多く造形されているのを見るにつけ、冒頭の西村康彦氏のように、その原型となった大型生物の存在を信じてやまないのです。まるっきり架空だとしたら、こんなに生き生きとデザインできないと思いますが....... 皆さん、どう思いますか? 竜使い@の記事へ 「エラゴン」の記事へ |
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そういえば・・・ |
ともともくまとも URL 2007/10/02 00:15 |
こんばんわ。龍腹寺は、哀れな龍の伝説で有名ですね。たしか、村人の願いを叶えて、日照りの折に、雨を降らしたのに、勝手に雨を降らしたと、龍の親玉(←失礼、大龍王?龍大神?)の怒りに触れて、体を三つ(頭、胴体、尾)に裂かれて地に落とされたとか。その胴体(腹)を祀っているのが、たしか龍腹寺じゃあないかしら。残りの龍の体の部位を祀ったお寺が、あと二つあるように思いますが。献身的な良い龍なのに、なぜ大龍王?の怒りを買うのかしらね?でも、いますよね。「俺、その話聞いてない」とか言ってむくれる人。龍も同じみたい(笑)←これは私的な解釈にすぎませんが。九頭龍神社は、箱根が一番有名ですが、日本各地にあるようです。この「くずりゅう」は、やはり首が九つある龍のようですよ。以前奈良の大和路を歩いていたおり、「九頭神社?」だったと思いますが、小さなお社を二度ほど見かけことがあります。龍腹寺の可哀想な龍さんと、九頭龍さんは、同一なんでしょうかね?謎めいていますね。九頭龍さんは奥が深いようです。 |
Starsapphire 2007/10/02 19:04 |
なるほど・・・・ |
ともともくまとも URL 2007/10/02 23:49 |
横からすみません。 |
すぴか☆ 2007/10/04 09:19 |
コメントありがとうございます。ともともくまともさんのご指摘で、ヤマタノオロチ(頭8つ)や九頭竜などの多頭竜ナーガも、日本で結構ポピュラーなんだと気づくことができました。九頭竜神社の由来については地域などにより色々な説があるようです。私は個人的には水神である八大竜王にも関係深いのではと思っています。たしか二つの竜王は九頭の多頭竜ですから。それから全然「さすが」ではありません。わからないことだらけです。奈良の「九頭神社」も竜がついていないから水神との関係はイマイチは不明です。ヤマトタケルは関東に東征していますね。その折携えてきた剣が、スサノヲがヤマタノオロチを退治した折、しっぽから出てきたのちの草薙剣でしたね。考えると面白いですね。ヤマトタケルの宝剣は竜の剣だったなんて。私の場合思い込んでいる部分も多く、間違いなどがあれば皆さんご指摘ください。それから、トモトモさんからすごくヒントをいただいたようで、記事が |
Starsapphire 2007/10/04 09:35 |
すぴか☆さんおはようございます。すぴかさんの龍は白龍さんなんですね。おっしゃるとおり、かの有名な龍腹寺さんに祀られている龍さんと同一かもしれませんね。お近くならお寺で、お寺に祀られている龍の色をお聞きになることもできますね。楽しみですね。龍さんが三つとかに裂かれて落ちてきたという伝承は、各地にあるようです。お寺に祀られていない龍さんのいる地域もあるようです。←差別待遇を受けてい竜! |
Starsapphire 2007/10/04 10:00 |
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